「リスティング広告の改善方法がわからない」
リスティング広告はリアルタイムでの改善が可能です。広告効果を高めるには、クリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)などの指標を読み解いて、迅速に改善しなければなりません。しかし、指標の読み方や改善方法がわからない人も多いでしょう。
この記事では、リスティング広告の改善方法や改善のポイントなどを解説します。パフォーマンスが悪い場合はこの記事を参考に素早く改善し、成果につなげてください。
リスティング広告の改善をするべきケース
リスティング広告の改善をする際には、広告の効果を測定する「効果測定」が必要です。効果測定ではCTRやCVRなどの指標が使用されます。下記のいずれかの指標が目標数値よりも低い場合は改善が必要です。
インプレッション数(IMP) | インプレッション数(IMP)は、広告が表示された回数を示す指標です。ユーザーに広告が表示された回数を把握できます。 |
クリック数(CT) | クリック数(CT)は、広告がクリックされた回数を示す指標です。ユーザーが広告に興味を持ち、クリックしてランディングページに移動した回数を計測します。 |
クリック率(CTR) | クリック率(CTR)は、クリック数をインプレッション数で割った値です。広告の魅力や関心度を測る重要な指標となります。 |
コンバージョン数(CV) | 広告の目的となるアクション(購入、申し込み、ダウンロードなど)が行われた回数を示す指標です。ユーザーが広告をクリックし、目的の行動を実施した回数を計測します。 |
コンバージョン率(CVR) | コンバージョン数をクリック数で割った値です。CVRは広告の効果を評価する重要な指標となります。 |
顧客獲得単価(CPA) | CPAは、1つのコンバージョン(目的のアクション)を達成するためにかかった平均広告費用を示します。 |
広告の費用対効果(ROAS) | 広告費用に対する売上の割合を示す指標です。ROASが高いほど、広告費用に対する収益が大きいことを示します。 |
重視する指標は広告の目的によって異なります。
ユーザーに特定の行動(クリック、コンバージョンなど)を促す場合は、クリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)、顧客獲得単価(CPA)などが重要な指標となり、目標数値よりも低い場合は改善が必要です。
他にも、売上を最大化するには広告の費用対効果(ROAS)が特に重要で、コンバージョン数(CV)やAOV(平均注文価格)、LTV(顧客生涯価値)なども考慮されます。ブランド認知を向上させるには、インプレッション数(IMP)が重要です。
リスティング広告の改善する方法
リスティング広告の改善方法として、ターゲットオーディエンスの正確な設定や適切なキーワード選定、魅力的な広告コピーの作成などが挙げられます。広告の改善だけでなく、ランディングページの改善も必要です。
リスティング広告を改善する際は、やみくもに実施するのではなく、以下の手順で行うことが大切です。
- 運用目的と目標を明確化
- 課題や問題点を抽出
- 改善施策の実施と効果測定
- PDCAサイクルを回転させる
ここでは、リスティング広告を改善する方法について解説します。
この流れに沿って改善を進めることで、リスティング広告のパフォーマンスや効果の向上につながります。
運用目的と目標を明確化
はじめに、リスティング広告の運用目的と具体的な目標を明確にします。
例えば、売上の増加、コンバージョン率の向上、新規顧客獲得などが運用目的になるでしょう。目標を設定する際は、数値化が大切です。
「コンバージョン率を20%アップする」など目標を数値化すると、改善ポイントも明確になります。
例に挙げたコンバージョン率を改善するには、広告のクオリティを向上させたり、キーワードやターゲティングを最適化させたりする施策が有効です。
課題や問題点を抽出
運用目的と目標が明確になれば、現在の広告運用における課題や問題点を抽出しましょう。
指標の分析やデータの評価を通じて、低いクリック率や高いクリック単価などの問題を特定します。課題や問題点の特定で、改善のための具体的な施策を立てられます。
改善施策の実施と効果測定
特定された課題に対して、改善施策を計画し実施します。
例えば、広告の品質の改善やキーワードの見直し、ターゲティングの最適化などが考えられます。改善施策の実施後は、結果や効果を分析し、目標に対する改善度や効果の評価を行います。
PDCAサイクルを回転させる
改善施策の実施と効果測定後は、再び改善施策を計画し実施しなければなりません。
1回の改善で終わりではなく、PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)を回転させることが重要です。
リスティング広告の改善をする際に意識するポイント
リスティング広告の改善をする際には「顧客獲得単価(CPA)よりも広告の費用対効果(ROAS)を重視する」「総合的な視点で改善を行う」というポイントを意識してください。
これらのポイントを意識することで、より効果的に改善ができます。
顧客獲得単価(CPA)よりも広告の費用対効果(ROAS)を重視する
広告の目的によって重視する指標は異なりますが、初心者の方は顧客獲得単価(CPA)を重視しがちです。
1つのコンバージョンを達成するためにかかった平均広告費用を示すCPAも重要な指標ですが、広告の費用対効果(ROAS)の方を意識しましょう。
ROASは、広告費に対する売上の比率を表す指標であり、ROASが低いということは、広告費に対して十分な売上が得られていないことを示します。計算式は以下の通りです。
ROAS = (広告経由の売上) ÷ 広告費用 × 100
ROASの値は、広告費用に対してどれだけの売上が得られたかを示します。ROASが100%より高い場合、広告費用よりも多くの売上が得られていることを意味し、運用は成功しているといえるでしょう。
例えば、ROASが300%の場合、1円の広告費用に対して3円の売上が得られていることを示します。
ROASが低い場合は運用が失敗しているため、広告費用をより効果的に配分する必要があります。
低いROASを示すチャネルやキーワードに多くの予算を割り当てるのではなく、高いROASを示す戦略やセグメントに重点を置くことが重要です。
総合的な視点で改善を行う
ROASだけでなく他の指標もチェックして、目標を下回っている場合は改善が必要です。
総合的な視点で指標を評価し、広告キャンペーンのパフォーマンスを最適化するために必要な改善を実施しましょう。
リスティング広告で気をつけるべきポイント
リスティング広告を改善する際は、「不適切なキーワードは使用しない」「虚偽や誤解を招く広告コピーは避ける」という点に注意してください。
広告の効果が発揮されないだけでなく、広告を出したことがマイナスにつながる可能性もあります。
不適切なキーワードは使用しない
広告と関連性のないキーワードの使用は避けるべきです。
ユーザーが検索したキーワードと広告の内容が合致していない場合、クリック率が低下し、広告予算の無駄遣いにつながります。適切なキーワード選定とキーワードのマッチタイプの設定に注意しましょう。
虚偽や誤解を招く広告コピーは避ける
魅力的な広告の作成は重要ですが、虚偽や誤解を招く情報の掲載は避けるべきです。
広告とランディングページの内容が一致していないと、信頼性の低下やユーザーエクスペリエンスの悪化につながる可能性があります。
まとめ
リスティング広告を効果的に運用するには、事前に目標を設定し、効果測定を行いながら改善を繰り返すことが重要です。
広告の費用対効果を示すROASは、広告キャンペーンの成功や収益性を評価する上で特に重要な指標です。
高いROASを示す戦略やセグメントに予算やリソースを集中させることで、広告効果の最大化を目指せます。なお、改善する際は、不適切なキーワードや虚偽や誤解を招く広告コピーは避けるよう注意してください。
リスティング広告の改善は、課題や問題点を抽出した上で改善施策を実施し、効果測定を行います。
1回の改善で終わりではなく、PDCAサイクルの継続的な回転が重要です。