「WordPressのドメインは変更しない方がいいの?」
WordPressのドメイン変更はあまりおすすめできません。変更するとサイトのURLが丸ごと変わってしまい、外部からの被リンクが全て無効になってしまいます。しかし状況によっては、ドメインを変更する方が良い場合もあるでしょう。
本記事では、WordPressのドメインを変更するメリットとデメリットを明らかにした上で、変更方法や設定方法、注意点について解説します。ドメインを変更する際はお役立てください。
WordPressのドメイン変更で起きるメリットとデメリットは?
WordPressのドメイン変更はあまりおすすめできませんが、変更するメリットもあります。メリットとデメリットを比較して、得られるメリットの方が大きければドメインを変更しても良いでしょう。
ここでは、WordPressのドメイン変更で起きるメリットとデメリットを紹介します。
ドメインを変更するメリット
ドメインを変更するメリットは、検索順位が上がる可能性があることです。
サイト構造などが原因で検索順位が上がらない場合、サイトを全面的にリニューアルしてドメインを変更すると検索順位が上がる可能性があります。
ドメインを変更してURLを変えると検索エンジンは全く新しいサイトと認識して、改めてインデックスを開始します。初心者の頃に立ち上げたサイトは内部施策やコンテンツの内容に問題があることが多く、検索エンジンからは評価されにくいです。
SEOの勉強をして中級者になってからサイトを全面的にリニューアルすると、SEOに強いサイトにリニューアルできる可能性があります。サイトリニューアルを機に、サイトを連想できるドメインに変更すると、アクセス数の増加も期待できるでしょう。
また、現サイトがGoogleからペナルティを受けていて検索順位のアップが望めない場合なども、ドメインを変更するメリットはあります。
ドメインを変更するデメリット
ドメインを変更するデメリットは、ドメインエイジがなくなってしまい、これまで築き上げてきたSEO評価がリセットされてしまうことです。検索エンジンから高い評価を受けているサイトは、ドメインの変更はおすすめできません。
また、ドメインを変更すると外部からの被リンクも全て無効になってしまうのも大きなデメリットです。ただし、ドメイン変更後にリダイレクト設定をしておくと旧ドメインのSEO評価を引き継げるため、アクセス数の下落を最小限に抑えられます。
したがって、ドメインを変更する際はリダイレクトの設定が極めて重要です。ドメイン変更後のリダイレクト設定については後で詳しく解説します。
WordPressでドメイン名を変更する方法
WordPressでドメイン名を変更する方法には、以下の2通りの方法があります。
- WordPressの管理画面で新ドメインを設定する
- 新ドメインでWordPressを新設する
1.の方法でもドメイン名を変更できますが、コンテンツの一部が正しく表示されないことがあります。旧ドメインの内容をそのまま引き継ぐには、2.の方法で行うことが必要です。
ここでは、WordPressでドメイン名を変更する2通りの方法を解説します。
WordPressの管理画面で新ドメインを設定する方法
WordPressでドメイン名を変更する方法は至って簡単です。
WordPressのダッシュボード画面のメニューから「設定」を選び、「一般設定」をクリックします。アドレス欄を新ドメインのURLに書き換えて「変更を保存」をクリックすると完了です。
新ドメインのURLでWordPressの管理画面が表示され、ログインできると設定は成功しています。管理画面が表示されずログインできない場合は、WordPressとサーバーのURLの設定が整合していないことが考えられます。
この場合は、サーバーにアクセスして「wp-config.php」をダウンロードし、テキストエディタで以下の2行を追加してみてください。
define(‘WP_HOME’,’新URL’);
define(‘WP_SITEURL’,’新URL’);
書き換えたwp-config.phpをサーバーにアップロードすると完了です。
新ドメインでWordPressを新設する方法
新ドメインでWordPressを新設し、バックアップした旧ドメインのデータをインポートすると、旧ドメインの内容をそのまま引き継ぐことが可能です。手作業で行う方法とプラグインを使用する方法がありますが、初心者にはプラグインを使う方法をおすすめします。
使用するプラグインはバックアップとインポートが簡単にできる「All-in-One WP Migration」がおすすめです。All-in-One WP Migrationは、WordPressのダッシュボード画面のメニュー「プラグイン」からインストールできます。
All-in-One WP Migrationをインストールできれば、旧ドメインのバックアップファイルをエクスポートしてパソコンに保存します。次に、新ドメインでWordPressをインストールし、パソコンに保存したバックアップファイルをインポートすると完了です。
WordPressのドメイン変更で気をつけるべきポイント
ドメイン変更をする際は、以下の点に注意しましょう。
- サーバーによってはAll-in-One WP Migrationが使えない場合がある
- SSL設定を忘れない
- リダイレクトを設定する
サーバーによってはAll-in-One WP Migrationが使えない場合がある
レンタルサーバーによっては、All-in-One WP Migrationプラグインが使えない場合があります。
その際は、DuplicatorやBackWpUpなどのプラグインを使用しましょう。ドメイン変更や移行の手順はほぼ同じです。
SSL設定を忘れない
ドメイン変更をする際は、新ドメインにSSLの設定が必要です。
SSL設定の方法はレンタルサーバーによって異なりますが、新ドメインにSSLを設定するとWordPressを常時SSL化できます。
リダイレクトを設定する
ドメイン変更をする場合、リダイレクトの設定が必要です。
設定方法は次の章で説明しますが、リダイレクトをすることで旧ドメインのSEO評価を引き継げます。
ただし、SEO評価を引き継ぐまでには1~2週間程度かかるため、一時的に検索順位は落ちてしまいます。
なお、現サイトがGoogleからペナルティを受けていて、検索順位のアップが見込めないような場合は、リダイレクト設定は必要ありません。リダイレクト設定をすると旧ドメインの悪い評価を引き継いでしまい、ドメインを変更する意味がなくなります。
旧ドメインの良好なSEO評価を引き継ぎたい場合のみ、301リダイレクトを設定しましょう。
WordPressのドメインを変更後にするべき設定
WordPressのドメインを変更できれば、リダイレクトの設定が必要です。
- WordPressでRedirectionをインストールする
- リダイレクトを設定する
ここでは、リダイレクトの設定方法を解説します。
なお、リダイレクトには「301リダイレクト」と「302リダイレクト」があります。301は恒久的、302は一時的なリダイレクトであり、ドメイン変更後は301リダイレクトを設定するようにしてください。
WordPressでRedirectionをインストールする
「Redirection(リディレクション)」プラグインを使用すると、簡単にリダイレクトを設定できます。
RedirectionはWordPressのダッシュボード画面のメニュー「プラグイン」からインストールできます。
インストールできれば有効化をクリックし、セットアップをすると完了です。
リダイレクトを設定する
WordPressのダッシュボード画面のメニューから「ツール」を選び、「リディレクション」をクリックします。
設定画面が表示されたら、「新しい転送ルールを追加」をクリックして詳細メニューを表示させます。
詳細メニューが表示されたら、「新しい転送ルールを追加」のソースURLに旧ドメインのURLを入力し、ターゲットURLに新ドメインのURLを入力すると設定は完了です。
まとめ
ドメインを変更すると検索順位が上がる可能性があります。
ただし、ドメインを変更するとサイトのURLが丸ごと変わってしまい、外部からの被リンクが全て無効になってしまいます。デメリットがあることを理解したうえでドメインの変更を行ないましょう。
WordPressの管理画面で新ドメインを設定するだけでもドメイン変更は可能です。また、All-in-One WP Migrationプラグインを使用すると、旧ドメインをそのままの状態で移行できます。
移行後は301リダイレクトの設定が必要です。リダイレクトの設定はRedirectionプラグインを使用すると簡単に設定できます。