「ユーザーエクスペリエンスを向上させるには？」
「成功した事例が知りたい」
サイト制作やアプリ開発では、ユーザーエクスペリエンスを向上させることを意識することが大切です。しかし、ユーザーエクスペリエンスの意味がよくわからない人もいるでしょう。
この記事では、ユーザーエクスペリエンスとは何かを解説し、成功事例をいくつかご紹介します。その上で、成功事例から導く向上のための具体的な取り組み方について解説します。
ユーザーエクスペリエンスの特徴と重要性
ユーザーエクスペリエンス (User Experience) とは、ユーザーが製品やサービスを利用する過程で得られる満足感や印象などを総合的に評価する概念です。略称はUXで、Webマーケティングではユーザーエクスペリエンスが重要な役割を果たします。
ユーザーエクスペリエンスが良いWebサイトは、ユーザーがすぐに離脱することはなく、滞在時間が長くなりSEOに良い影響を与えます。GoogleはWebサイトを評価する際にユーザーの利便性を重視しており、ユーザーエクスペリエンスが良いWebサイトは検索順位が上がる可能性が高いです。
また、ユーザーエクスペリエンスが良いWebサイトは、コンバージョン率も向上する傾向があります。その理由は、買い物かごや問い合わせフォームなどが適切な位置に設置されていると、ユーザーが目的のアクションをスムーズに行えるようになるからです。
サイト設計やデザイン、コンテンツを作成する際はユーザーエクスペリエンスを意識することが大切です。
なお、ユーザーエクスペリエンス（User Experience：UX）とユーザーインターフェイス（User Interface：UI）は異なる概念です。
ユーザーエクスペリエンスは、製品やサービスが提供する体験全体を包括する概念で、ユーザーインターフェイスは、ユーザーが製品やサービスを利用する際に触れる画面やボタン、アイコンなどを指します。
ユーザーインターフェイスをより良い状態にすることで、結果的にユーザーエクスペリエンスも向上します。UXとUIの違いを理解することは、Webサイトを制作する際に非常に重要です。
ユーザーエクスペリエンスの成功事例
ここでは、ユーザーエクスペリエンスの成功事例をいくつか紹介します。
- Amazon
- LINE
Amazon
Amazonは「顧客至上主義」を経営理念にしており、ECサイトもユーザーエクスペリエンスを強く意識したものになっています。月額500円以内で配送料が無料になったり、Prime Videoが見放題になったりするプライム会員の特典もユーザーエクスペリエンスの一例です。
また、Amazonは、ユーザーが過去に購入した商品や閲覧履歴などを参考に、ユーザーにおすすめ商品を紹介します。たとえば、コーヒー豆を購入すると、無くなりかけた頃を見計らって「もう一度買いますか？」と問いかけてくれます。
コーヒー豆を再び買おうと思っていたユーザーはワンクリックで購入できるので大変便利です。
また、ほしい物リストに入れていた商品のタイムセールが開催されるとメールで告知してくれるので、欲しい物を安い値段で購入できます。
このように、ユーザーエクスペリエンスを向上させることは、コンバージョン率の向上につながるのです。
LINE
ユーザーエクスペリエンスを意識することは、サイト制作だけでなくアプリ開発においても重要です。アプリ開発におけるユーザーエクスペリエンスの成功事例として、LINEが挙げられます。
LINEは一つの画面でコミュニケーションが完結できるようになっています。LINEが普及する前はメールでのコミュニケーションが主流でしたが、メールだと過去のメッセージを確認するには探さなければならず、大変面倒でした。
LINEだとメッセージが時系列で表示されるため、簡単に過去のメッセージを探せ、スムーズにコミュニケーションができます。また、スタンプの機能により、文字では表現できない感情も表現できるようになりました。
ユーザーエクスペリエンスに重点を置いた結果、LINEは日本国内で80％を超える利用率の達成に成功しています。このように、アプリ開発をする際もユーザーエクスペリエンスを意識して設計することが大切です。
事例からわかる成功するUXの特徴
ユーザーエクスペリエンスの成功事例として、AmazonとLINEを紹介しましたが、成功するユーザーエクスペリエンスは以下のような特徴があります。
- 人間中心設計（HCD）がされている
- シンプルで使いやすいデザイン
- 一貫性のあるデザイン
- 素早いレスポンス
人間中心設計（HCD）がされている
ユーザーエクスペリエンスを成功させるには、人間中心設計（HCD）をすることが必要です。人間中心設計とは、その名の通りユーザーを中心としたモノ作りを指します。
企業の独りよがりではなくユーザー視点で、ユーザーが必要とする情報や機能を理解し、ユーザーニーズに合わせて設計をすることが大切です。ユーザーの利便性を突き詰めて考えると、直感的で使いやすいユーザーインターフェイスを提供できます。
シンプルで使いやすいデザイン
シンプルで使いやすいデザインは、ユーザーエクスペリエンスを向上させます。
デザインが複雑で混沌としているとユーザーは使いにくく、ユーザーエクスペリエンスは低下しコンバージョンにもつながりません。本当に必要な機能だけを搭載し、余計な要素を省いたデザインにすることが大切です。
一貫性のあるデザイン
一貫性のあるデザインもユーザーエクスペリエンスを向上させます。
ユーザーが毎回同じ操作で目的を達成できるように設計することが大切です。毎回異なる操作をしなければ目的が達成できないと、ユーザーは毎回異なる操作を覚えなければならず混乱してしまいます。
一貫性のあるデザインは、サイト制作やアプリ開発だけでなく、ブランディングやマーケティングにも役立ちます。
素早いレスポンス
ユーザーがアクションを起こした後、画面の切り替えや読み込みなど素早く反応できるのも大切です。
反応時間が遅いとユーザーはストレスを感じ、離脱したり操作をやめたりします。
ユーザーエクスペリエンスの向上のための具体的な取り組み方
ユーザーエクスペリエンスの向上のために、下記の取り組みを実践してみてください。
- PDCAサイクルを回す
- ユーザー視点で実際に体験してみる
より効果的にかつ効率よく向上させましょう。
PDCAサイクルを回す
ユーザーエクスペリエンスを向上させるには、PDCAサイクルを回転させて継続的な改善を行うことがポイントです。PDCAサイクルとは、「Plan（計画）」「Do（実行）」「Check（評価）」「Act（改善）」のプロセスで、このサイクルを繰り返し行います。
具体的には、ユーザーからフィードバックを集めてデータ分析を行い、現状の問題点を洗い出すことが必要です。
現状の問題点が判明したら改善計画を立て、改善を実施し、効果測定を行ってさらなる改善につなげます。
ユーザーエクスペリエンスはすぐには向上しませんがｍ改善を繰り返し行うことでユーザーエクスペリエンスは向上します。
ユーザー視点で実際に体験してみる
社員が自社のサイトやアプリをユーザー視点で操作して商品を注文したり、サービスを利用したりすることで、問題点を発見できます。体験する際は、自社の製品やサービスに対する偏りや感情を排除し、ユーザーとして客観的に操作を行うことが重要です。
得られた問題点を整理し分析することで、どのような点を改善すればよいのかが明確になります。この分析を通じて、ユーザーが直面する課題や不便な点を洗い出し、改善することで、より使いやすく魅力的なサイトやアプリを提供できます。
まとめ
ユーザーエクスペリエンス（UX）を向上させることでユーザーの満足度は高まり、コンバージョン率の向上につながります。この記事で紹介した成功事例を活用することで、どのようにすればユーザーエクスペリエンスを向上させられるかがわかります。
ユーザーエクスペリエンスを向上させるには、PDCAサイクルを回して改善を繰り返し行うことが大切です。また、ユーザー視点で実際に体験してみることも重要になってきます。この記事を参考に、魅力的なサイトやアプリの提供につなげてください。
