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WEBサイトの正しい分析方法と、これだけは使いたい必須ツール

WEBサイトの数値を分析して実績を向上させたい。
しかし、どのようなツールを使い、何を改善すれば良いのか分からない。
今回は、そのような方に向けたWEB分析方法と必須ツールについて解説します。

WEBサイトを分析する際に意識するポイント

WEBサイトの分析をする際、初心者の方は自社WEBサイトのみの分析に集中しがちです。
分析の本来の目的は、業界全体や競合と自社を比較し現状を正しく把握することです。
比較による分析がない場合、WEBサイトの実績を自社内の前年比目標や年間目標の達成のみで評価してしまいます。

自社内のWEBサイト分析で、実績を120%に改善できた場合、良好な状態と判断できそうですが、業界や競合が150%を達成していた場合はどうでしょうか?
業界に大きな需要が発生しており、さらに業績を伸ばすチャンスがあったと分かります。

比較して分析することで、適正な目標数値の設定が可能になります。
正しいWEBサイト分析は、大きな視野で業界全体を見渡し、自社の現状を把握した上で、改善を進めることがポイントです。

サイトの分析でどの項目を重要視するべきか

サイト分析ツールには膨大な分析項目がありますが、効率よくWEBサイトを改善するには、流入経路、成果を示すCVR、離脱率で分析することがポイントになります。

①流入経路

WEBサイトに、どこからユーザーが流入しているのか、流入経路別にCVR(コンバージョン率)をチェックしながら分析します。
CVRは、WEBサイトを訪問したユーザーが、購入や契約などのアクションを起こす確率です。

分析ツールでは流入経路別で、それぞれのCVRをチェックします。
CVRの低い流入経路に費用をかけて伸ばすことは効率が悪いため、CVRが高い流入経路に投資して強化する必要があります。
また、流入数が多くてもCVRが低い経路や、流入数が少なくてもCVRが高い経路などもあるため、常に流入数とCVRはセットで比較します。

②CVR(コンバージョン率)

WEBサイトを改善するために、ゴールであるCVR(コンバージョン率)から分析する方法もあります。
WEBサイトに100人の訪問者があり、10人が実際に購入などのアクションを起こした場合、CVRは10%となります。
この場合、ゴール直前のページがアクションのきっかけになっています。
どのページが成果に繋がっているのか、成果にならないページとの違いをチェックします。

③離脱率

流入経路から、成果に到達するまでに、離脱しているページがないかをチェックします。
カートページは入力項目が多かったり、複雑だったりすると、注文完了までに離脱するケースが多くなります。
カートページで離脱している場合は、実際にユーザー目線でカート画面から注文完了までの流れを体験し、どこに問題があるのかを考えます。

現代のユーザーは、短時間で簡単に目標を達成することに慣れているため、カートの使いやすさは優先的に取り組む必要があります。
また、他社のカート画面との比較なども効果的なため、競合のカート画面は必ずチェックしましょう。

WEBサイトの分析のやり方とおすすめの分析ツール

WEBサイトの分析に必須のツールは、3つです。
Googleが提供しているツールは、WEBサイトの数値分析に最適な項目を備えています。

Googleアナリティクス

Googleアナリティクスは現在「GA4」となり、より現代の需要に合った分析が可能になっています。

確認できる項目
・ユーザー(訪問者数)
・ランディングページ(ユーザーが最初にアクセスするページ)
・セッション(訪問者のサイト内でのアクション数)
・ページビュー(閲覧ページ数)
・CVR(コンバージョン率)

流入経路
・Organic Search(検索エンジン)
・Referral(外部リンク)
・Direct(ブックマークやURLの直接入力)
・Paid Search(検索連動型広告)
・Display(画面のバナー型広告)
・Social(SNS)
・Other(その他)

Google Search Console

自然検索の分析は、Google Search Console(グーグルサーチコンソール)を利用します。
ユーザーが、検索エンジンでどのようなキーワードを入力して自社サイトに流入しているのか、各流入数と流入ページなどを分析でき、マーケティングとサイトの改善に役立ちます。

Googleアナリティクスは、自社サイトにユーザーがアクセスした後の動きを分析できますが、Google Search Consoleはアクセスする前の状態を分析できます。

特定のキーワードを検索した際に、自社サイトが「平均して何位に表示されたか」が分かります。
「表示された回数」や「クリック数」インデックスの有無を調べる「URL検査」などが可能です。
Google Search Consoleを導入することで、セキュリティ上問題がある場合やGoogleのペナルティを受けた時に通知が届きます。
他のサイトからリンクされていることも分かるため、WEB管理に役立ちます。

Page Speed Insights

Page Speed Insights(ページスピードインサイト)は、Googleが推奨するCore Web Vitals(コアウェブバイタル)の状態を分析するツールです。

コアウェブバイタルとはLCP、FID、CLSの3つを指標として、ユーザーの快適さに関わる部分を数値化して評価するツールです。
・LCP(画像表示速度)
・FID(クリック反応速度)
・CLS(レイアウト表示の安定性)
WEBサイトの表示順位が同じだった場合には、コアウェブバイタルが優れたサイトが上位に表示されるため、SEO対策としての役割も持ちます。

WEBサイトの分析結果からどのように改善していくか

WEBサイト内の数値データはGoogleアナリティクスで分析します。

データを見る際には、大きなデータから把握することがポイントです。

最初にある一定のスパン(月や年単位)で、CTRや流入数がどのように変化したのかを大きく掴みます。
次に、大きく数値が変動している日がある場合、その原因を調べます。
年間で大きく売り上げが上がる季節、下がる季節など、自社の売上がどのような要因で変化しているかを掴むことがポイントです。

流入経路の項目では、ユーザーの年齢層や男女比も分かるため、どのようなユーザーが、どのような経路で流入し、どのページを閲覧して購入、または離脱したのかを把握します。
広告やSNSなど、流入経路別にCVRを確認して、流入数に対して何%が離脱しているのかなど、自社サイトの現状が分かります。

離脱数が多い場合、流入数を上げることよりも、離脱数を下げることの方が重要です。
離脱ページの問題点を優先して改善します。

得られたCVRのデータからは、成果につながったページがどこかを確認します。
訪問者が直接カートページへ進んでいる場合は、自社サイト以外で、自社製品に関する情報を得ていると考えられます。

SNSの口コミや一時的なトレンドへの表示、TVでの紹介など外部要因によるCVRの上昇もあります。
それらを正確に把握しておくことで、一時的にどの程度販売数が増加するのか、突発的な販売数増加での販売ロスを防ぐために必要な在庫数なども分かります。

他社の分析方法

競合が、どの程度の質とボリュームでWEBサイトを構築しているかを知ることで、自社サイトの質とボリュームを決める目安になります。

競合サイトのページ数を知る

競合サイトのページ数を知るには、Googleで【site:競合ドメイン】で検索します。
検索結果の上部に、件数が表示されます。
この件数が、Googleに登録されている件数、総インデックス数です。
一般的には総インデックス数が多いほど、ドメインパワーも強くなる傾向があります。
競合とページ数に差がある場合は、ページ数自体を増やすことも検討する必要があります。

競合サイトの質を知る

競合サイトがどのような質の記事を作成しているのかを調べます。
実際にページを閲覧し、1記事あたりの文字数、内容が幅広いユーザー向けのものか、一部のユーザーに向けたものか、更新頻度などを分析します。

ユーザービリティに優れた操作性や見やすさ、パンくずリストによるページ間の移動のしやすさ、カートから注文完了までの流れなどをチェックします。

上位にあるサイトのみに注目しがちですが、下位にあるサイトも分析します。
近年クリック率は変化しており、以前よりもユーザーがスクロールして下位をクリックする率が増加傾向にあります。
そのため1位から10位程度までは分析することがおすすめです。

まとめ

今回は、WEBサイトの分析方法をご紹介しました。
・WEBサイト各ページの改善はGoogleアナリティクス
・検索順位の状況はGoogle Search Console
・ユーザー側の表示状態はPage Speed Insights
この3つのツールで、内部と外部からWEBサイトを改善することが可能です。
合わせて競合の分析、自社との比較をすることが改善に効果的です。

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