「コンバージョンAPIとは何なのかがよくわからない」
Facebook広告やInstagram広告を運営しているMETA社では、コンバージョン測定の精度を高めるためにコンバージョンAPIを提供しています。コンバージョンAPIとは何なのかがよくわからない人も多いでしょう。
この記事では、コンバージョンAPIの仕組みや導入された背景、メリット・デメリット、導入方法などを解説します。Facebook広告やInstagram広告のコンバージョン測定の精度を高めたい方は、本記事を参考にしてみてください。
コンバージョンAPIとは何か
コンバージョンAPIとは、Cookieに頼らずに広告キャンペーンの成果（コンバージョン：CV）を測定する技術を指します。
従来のCookieに依存するトラッキング方法に代わる手段として、Facebook広告やInstagram広告ではコンバージョンAPIが提供されています。
コンバージョンAPIの仕組みは、広告主のクライアントサーバーからFacebookの広告サーバーにイベントデータ（1st Party Data）を直接送信するというものです。
Cookieを利用しないため、ユーザーのプライバシー保護と正確な効果測定が両立します。
なぜコンバージョンAPIが必要？
コンバージョンAPIが必要とされる主な理由は、従来のCookie（特にサードパーティークッキー）の使用制限が進んでいるためです。
広告キャンペーンの効果測定にはCookieが使用されてきましたが、ユーザーのプライバシー保護やデータセキュリティの観点から制約がかかるようになりました。
Cookieには、ユーザーの行動履歴や購買履歴などのプライベートな情報が記録されます。
広告主はCookieを取得することで、ユーザーにリマーケティング広告を配信できますが、個人情報を無断で使用されることに不快感を感じるユーザーは多いです。
ユーザーがWebサイトの閲覧を続けていると、同じ内容の広告が訪問するサイトに頻繁に表示されると、広告そのものに嫌悪感を抱くこともあります。これは広告主だけでなく、広告業界全体にとっても大きな痛手です。
ユーザーが不快感を感じることなくオンライン環境を安全に利用できるよう、プライバシー保護を重視する動きが広まり、個人データの保護を強化するための法律や規制が導入されるようになりました。
このような背景から、広告業界ではよりプライバシーに配慮したデータ収集方法やトラッキング手段が模索され、その中の一つがコンバージョンAPIです。
Cookie規制により、広告キャンペーンの効果を正確に測定するのが困難になってきたため、FacebookやInstagramを運営するMeta社（旧Facebook社）は、2021年10月にコンバージョンAPIの提供を開始しました。
コンバージョンAPIを設定すると、Cookieの使用が規制されても、正確なコンバージョンデータを収集して広告キャンペーンの成果を測定できます。コンバージョン測定の精度が向上すると、広告の改善アクションを行うための有益な情報が得られます。
コンバージョンAPIのメリットとは
Facebook広告やInstagram広告を運用する際にコンバージョンAPIを導入するメリットは以下の通りです。
- Cookieに頼らずにコンバージョン測定ができる
- コンバージョン測定の精度が高まる
- 早く正確なデータで改善できる
以上がコンバージョンAPIを導入するメリットですが、一方で導入に手間と時間がかかることがデメリットです。
導入に際しては専門知識や技術が必要であり、特にAPIの設定や連携などの開発作業が関与するため、エンジニアや専門家のサポートが必要になります。また、初期の開発コストが発生する可能性があることも覚えておきましょう。
Cookieに頼らずにコンバージョン測定ができる
コンバージョンAPIの導入で、Cookieに頼らないコンバージョン測定が可能です。
コンバージョンAPIを設定すると、サーバー間のデータの送受信を通じてコンバージョン測定が行え、Cookieの使用を回避できます。
これにより、Cookie規制の影響を受けることなく、ユーザーのプライバシーに配慮しながら、広告キャンペーンの成果を正確に測定できます。
コンバージョン測定の精度が高まる
コンバージョン測定の精度が高まることは、コンバージョンAPIを導入する大きなメリットです。
従来のCookieに頼るトラッキング方法は誤差が生じやすく、特にユーザーが異なるデバイスやブラウザを使用する場合は、正確なデータ収集が難しくなります。サードパーティクッキーを完全にブロックしているブラウザだと、データ収集そのものができません。
コンバージョンAPIを導入し、Cookieに頼らないコンバージョン測定を行うことで、広告のパフォーマンスをより正確に評価できるようになり、適切な意思決定や改善策の立案が可能となります。
早く正確なデータで改善できる
コンバージョンAPIを使用することで、リアルタイムまたは近接したタイミングで正確なデータを収集し、広告キャンペーンの改善を素早く実施できます。
データを素早く収集できる理由は、ブラウザからではなくサーバーから直接データを取得できるためです。
ブラウザを介してデータ収集を行うと、ネットワークの遅延やブラウザの処理能力、負荷などによって、データの送受信に一定の時間がかかることがあります。
コンバージョンAPIを使用すると、ブラウザを介さずにサーバーから直接データを取得できるようになり、正確なデータを素早く入手できます。これにより、広告の問題点や課題を迅速に特定でき、改善アクションの素早い実行が可能です。
コンバージョンAPIの導入方法
コンバージョンAPIの導入方法は「手動で実装」「パートナー連携による自動実装」「コンバージョンAPIゲートウェイを使って設定」の3種類があります。
コンバージョンAPIを手動で導入するには、エンジニアや専門家のサポートが必要です。
自社サーバーを構築している場合は手動でAPIを実装しなければならず、エンジニアや専門家のサポートがなければ困難でしょう。
一方で、パートナー連携による自動実装だと、専門的な知識やスキルがなくても、比較的簡単に実装できる可能性があります。
コンバージョンAPIと連携できるコマースプラットフォームには、ShopifyやMagento、WooCommerce、BigCommerce、WordPressなどがあり、連携方法やコンバージョンAPIの自動実装の方法は異なります。
コマースプラットフォームによっては数クリックで作業が完了する場合もあり、簡単に実装できるでしょう。
なお、AWS（Amazon Web Service）を利用している場合は、コンバージョンAPIゲートウェイを使っての設定が可能です。ノーコードで実装できますが、専門知識やスキルが必要であるため、エンジニアや専門家のサポートを受けましょう。
以上のように、コンバージョンAPIの導入方法は「手動で実装」「パートナー連携による自動実装」「コンバージョンAPIゲートウェイを使って設定」の3種類がありますが、Meta社のビジネスツール「Metaビジネスマネージャ」の管理画面にログインすると、3種類の中から好みの導入方法を選べます。
まとめ
コンバージョンAPIとは、Cookieに頼らずにコンバージョン測定を正確に行える技術です。
Facebook広告やInstagram広告を運用する際は、コンバージョンAPIを導入すると、ユーザーのプライバシーを保護しながらコンバージョン測定を正確かつ迅速に行えます。
コンバージョンAPIを導入するメリットは、Cookieに頼らずにコンバージョン測定ができ、早く正確なデータで広告を改善できることです。
導入に手間と時間がかかることがデメリットですが、パートナー連携による自動実装だと比較的簡単に導入できる可能性があります。この記事を参考にコンバージョンAPIを導入し、コンバージョン測定の精度向上にお役立てください。
