「広告の費用対効果を高めるにはどうすればいいの?」
広告の費用対効果を高めるには、コンバージョン単価(CPA)という指標が重要になってきます。コンバージョン単価を低くすることで費用対効果を高められますが、意味がわからない人も多いでしょう。
この記事では、コンバージョン単価とは何かを説明し、Google広告で設定するメリットや導入方法などを解説します。広告の費用対効果を高めるのに有効な施策もわかるようになるでしょう。
コンバージョン単価とは?
コンバージョン単価とは、マーケティングや広告運用において使用される指標の一つです。
CPA(Cost Per Acquisition)の略語が使われることもあり、コンバージョン(conversion:CV)を1件獲得するのに要した費用を指します。
コンバージョンとは「最終的な成果」という意味です。
ECサイトやWebサイト、ランディングページ(LP)の訪問者が特定の行動を取ることを指します。商品の購入やサービスの利用、会員登録、問い合わせなどがコンバージョンの一例です。
コンバージョン単価は、以下のように計算されます。
コンバージョン単価(CPA) = クリック単価(CPC)÷ コンバージョン率(CVR)
上記の計算式はコンバージョン単価の本質を理解するのに役立ちますが、以下の計算式でもコンバージョン単価を算出できます。
コンバージョン単価(CPA) = 広告やマーケティングに費やした総費用(COST) ÷ 獲得したコンバージョン数(CV)
これを計算することで、特定のコンバージョン1件を達成するためにどれだけの広告費用がかかったかの評価が可能です。
例えば、広告費の総額が10万円で、コンバージョン数が2件だった場合だと、コンバージョン単価は以下のように5万円になります。
10万円(総費用) ÷ 2(コンバージョン数) = 5万円(コンバージョン単価)
つまり、コンバージョン単価は広告の費用対効果を示す指標であり、数値が低くなるほど費用対効果は高まります。コンバージョン単価を下げて費用対効果を高めるには「広告費を下げる」か「コンバージョン数を増やす」施策が必要です。
また、「クリック単価(CPC)を下げる」か「コンバージョン率(CVR)を上げる」ことによってもコンバージョン単価は下がり、広告の費用対効果は高まります。
クリック単価を下げるには、広告の品質スコアを上げたり、上限入札単価を下げたりする施策が有効です。コンバージョン率を上げるには、広告文を見直したり、ターゲティングを見直したりする施策が有効でしょう。
効果的なマーケティング戦略を構築するには、コンバージョン単価を把握して、下げるための施策が大切です。
コンバージョン単価の目安
Google広告は自動入札機能を提供しており、目標コンバージョン単価の設定が可能です。
目標コンバージョン単価を設定すると、システムは自動的に目標を達成するための最適な入札額を計算・適用します。
目標コンバージョン単価の目安は、業界や商品・サービスの種類、地域などによって異なるため一概には言えません。システムが提示する推奨値が目標コンバージョン単価の目安になるため、そのまま設定するのが基本です。
また、過去30日間のコンバージョン単価の1.3倍程度を目安にしても良いでしょう。
ただし、システムが適切な推奨値を提供するには、過去30日間で100~300件程度のコンバージョン実績が必要です。
最低でも過去30日間で100件程度の実績ができてから、目標コンバージョン単価の導入を検討しましょう。
目標コンバージョン単価を導入するメリットとデメリット
目標コンバージョン単価を導入するメリット・デメリットは下記の通りです。
メリット | デメリット |
入札を最適化できる 時間と労力を削減できる | 広告の配信量が減少する CPCが高騰する |
メリット①入札を最適化できる
Google広告で目標コンバージョン単価を設定すると、自動的に入札を最適化できることがメリットです。
AIが機械学習をして広告の表示を最適化し、指定された目標コンバージョン単価を達成するために必要な入札額を自動的に調整してくれます。
AIは目標コンバージョン単価だけでなく、広告効果に影響を与えるさまざまな要因(シグナル)を活用して入札額を調整するため、広告効果の最大化を目指せます。
シグナルには、ターゲットユーザーの使用デバイスや所在地、地域を含む検索クエリなどがあり、これらの要素も含めて入札額を調整するため、精度の高い単価設定が可能です。
メリット②時間と労力を削減できる
広告主は手動で入札を調整する必要がなくなり、広告の運用にかかる時間と労力を削減できることもメリットです。
AIが自動的にコンバージョンを最大化するように調整してくれるため、広告運用の手間が減少し、効率的な広告運用が可能となります。
空いた時間を戦略の立案やクリエイティブな制作に専念する時間を確保できるため、労働生産性の向上にも寄与します。
ただし、AIに頼りすぎるのではなく、人による適切な設定と監視は依然として重要です。
デメリット①広告の配信量が減少する
目標コンバージョン単価を低くしすぎると、入札競争で他の広告主に負ける可能性が高まり、広告の配信量が減少する可能性があります。
目標コンバージョン単価の設定は慎重に行わなければならず、現実的な目標を考慮して設定し、広告表示のバランスを保つことが大切です。無理な目標の設定は禁物で、先述したように過去30日間のコンバージョン単価の1.3倍程度を目安にすると良いでしょう。
デメリット②CPCが高騰する
CPC(クリック単価)が高騰することもデメリットの一つです。
システムは目標を達成するために入札を調整しますが、競合他社との入札競争や需要の増加によって、CPCが高騰する可能性があります。
特に、人気の高いキーワードや需要が増える時間帯はCPCが上昇しやすく、広告の費用対効果は悪化します。したがって、目標コンバージョン単価を設定する際には、CPCの高騰に対する潜在的なリスクも考慮し、競合状況や需要の変動のモニタリングが重要です。
必要に応じて目標コンバージョン単価を調整し、広告運用を最適化することが求められます。
目標コンバージョン単価を導入する方法
過去30日間で100件程度のコンバージョン実績ができれば、目標コンバージョン単価の導入を検討しても良いでしょう。
目標コンバージョン単価を導入する方法は、まずはGoogle広告のアカウントにログインしてください。
管理画面が表示されたら「ツールと設定」→「入札戦略」→「+」→「目標コンバージョン単価」の順番でクリックします。目標コンバージョン単価の画面が表示されれば、目標単価を入力してください。
すでにコンバージョンデータが蓄積されていると、AIがはじき出した目標コンバージョン単価の推奨値が表示されます。推奨値をそのまま使用しても、自分で単価を設定しても構いません。
これで設定は完了しますが、設定後も定期的にデータのモニタリングを行い、必要に応じて調整を行うことが重要です。
計画(Plan)→ 実行(Do)→ 確認(Check)→ 改善(Act)のPDCAサイクルを繰り返し行うことで、広告の費用対効果を最適化し、効果的なマーケティング戦略を構築できます。
まとめ
コンバージョン単価(CPA)とは、コンバージョンを1件獲得するのに要する費用を示します。
広告の費用対効果を高めるには、コンバージョン単価を低くするのがポイントです。クリック単価(CPC)を下げるか、コンバージョン率(CVR)を上げるとコンバージョン単価は下がります。
Google広告ではコンバージョン単価の設定が可能です。
設定するとAIが自動入札で目標を達成するための最適な入札額を計算・適用してくれます。
コンバージョン単価の導入は、Google広告の管理画面から簡単に行えるため、コンバージョン実績が増えてきたら、導入をおすすめします。コンバージョン単価を適切に設定し、広告の費用対効果を高めましょう。