「広告運用の効果を高めたい」
広告の入札戦略の基準をコンバージョン値にすると、ビジネスの内容によっては広告運用の効果が高まる可能性があります。この記事では、コンバージョン値の概要と最大化、Google広告におけるルールの設定方法などを解説します。
コンバージョン数との違いがよくわからない人も、この記事を参考にしてみてください。両者の違いがわかるようになるでしょう。
コンバージョン値とは?
コンバージョン値とは、コンバージョンが生み出した価値を示す指標です。
商品の購入をコンバージョンに設定した場合だと、その商品の価格がコンバージョン値になります。
ユーザーが商品を購入してコンバージョンに至った場合、コンバージョン数は商品の価格に関係なく1回です。しかし、商品の価格が異なる場合、1,000円の商品を購入した場合のコンバージョン値は1,000円、100円の商品を購入した場合のコンバージョン値は100円となります。
コンバージョン値はアクションの回数を単純にカウントするコンバージョン数とは異なり、アクションが生み出した実際の金銭的価値を示します。
コンバージョンに至る回数よりも売上を重視して広告を運用したい場合は、広告の入札戦略の基準をコンバージョン値にすることで、より効果的なターゲティングや予算配分が可能です。
一般的にはBtoB(ビジネス・トゥ・ビジネス)の見込み客や高額商品の購入などの場合、コンバージョン値を重視することが推奨されます。高額商品は個々のコンバージョンがもたらす価値が非常に高いため、収益性の高いアクションにリソースを集中することで、ビジネスの成果の最大化を目指せます。
コンバージョン値の最大化とは何か
コンバージョン値の最大化とは、広告キャンペーンや自動入札戦略の一環として、コンバージョンがもたらす価値の最大化を目指す戦略を指します。具体的には、高価値なコンバージョンを重視することで、収益を最大化しようとするアプローチです。
これは、単に広告予算を使い切ることではなく、価値の高いアクションによって生み出される収益を最大化することを意味します。
Google広告は自動入札機能を提供しており、コンバージョン値の最大化の設定が可能です。コンバージョン値の最大化を設定すると、指定した予算内でコンバージョン値の獲得を最大化するために自動的に入札が調整されます。
ただし、過去のコンバージョン数が少なすぎると、自動入札は正常に機能しません。
最低でも過去30日間で50件程度の獲得実績がないと最適化ができないため、導入のタイミングは注意を要します。また、設定後の学習期間として2~3週間程度かかります。
したがって、導入する際には過去のコンバージョンデータの質や量を考慮し、自動入札の最適なタイミングを見極めることが重要です。データが不足している場合は、まずは十分なデータを集めてから自動入札戦略を適用しましょう。
コンバージョン値のルールとは何か
コンバージョン値のルールとは、コンバージョンしたユーザーの属性によって、コンバージョン値を調整できるGoogle広告が提供する機能です。地域やデバイス、オーディエンスなどの条件に応じてユーザーの属性を設定でき、コンバージョン値の最大化を目指せます。
コンバージョン値のルールを利用するメリットは、デフォルトの設定では考慮されない追加情報をアカウントに反映できることです。これにより、自動入札戦略の精度や効果が向上します。
Google広告で、コンバージョン値のルールを設定する方法は以下の通りです。
まずは、Google広告のアカウントにログインしてください。次に、画面右上にあるツールアイコンをクリックし、「測定」の下の「コンバージョン」を選択します。
次に、左側のパネルの「価値のルール」をクリックし、「コンバージョン値のルールを作成」をクリックします。メインの条件とサブの条件を定義してください。
コンバージョン値に適用する乗数や加算・減算額を入力し、「保存」をクリックすると完了です。
ルールを設定する際の注意点として、複数のルールを設定する際には、メインの条件はアカウント内ですべて同じタイプにする必要があります。例えば、地域とデバイスの混在はできません。メインの条件をデバイスにすれば、他に設定したルールのメイン条件もデバイスにします。
サブの条件も同様です。指定する場合はアカウント内ですべて同じタイプにします。例えば、オーディエンスとキャンペーンの混在はできません。
メインの条件やサブの条件を変更するには、既存のルールをすべて抹消し、新しいルールを作り直す必要があります。例えば、メインの条件をデバイスから地域に変更する場合は、すべてのルールを一度消してから再設定します。
コンバージョン数よりもコンバージョン値の方を重要視するべき理由
コンバージョン数とコンバージョン値のどちらが重要かは、ビジネスの目標や戦略によって異なります。
例えば、新しい市場への進出や新サービスの普及拡大を重視する場合、まずは多くのユーザーを取り込むことが重要です。
この場合は、コンバージョン数を増やすことで、広い範囲に商品やサービスを浸透できます。
したがって、コンバージョン数とコンバージョン値のどちらが重要かは、ビジネスの目的や目標に合わせて適切な判断が必要です。
一般的に、サービスの普及拡大や市場シェアの獲得、ブランド認知の向上、初回ユーザー獲得などはコンバージョン数を重視する傾向があります。コンバージョンの価値がほぼ同じで、数量に応じて売上が増えるアプリのインストールなどもコンバージョン数を重視します。
しかし、収益の最大化や経営資源の効率的な活用、競争力の向上、ROIの向上などを目指す場合は、コンバージョン値を重視するべきです。以下では、その理由について解説します。
収益の最大化
コンバージョン値は、ユーザーのアクションがもたらす実際の収益や価値を示す指標です。
ビジネスの最終的な目標は収益を最大化することであり、高価値なコンバージョンを重視することで、ビジネス全体の収益を増やせます。
経営資源の効率的な活用
コンバージョン数だけに焦点を当てると、低価値なアクションに多くのリソースを割かざるを得なくなる可能性があります。一方で、コンバージョン値に重点を置くことで、収益を増やすために効率的に経営資源を割り当てることが可能です。
競争力の向上
市場での競争が激しい場合、価格競争だけでなく付加価値を提供することが重要です。
高価値なコンバージョンを追求することで、競合他社との差別化を図り、市場での競争力を高められます。
ROIの向上
コンバージョン値を重視することで、広告やマーケティングの効果測定が正確になり、投資対効果(ROI)の改善が可能です。
高価値なアクションの収益性を改善することで、ビジネスの成果を最大化するための効果的な戦略を見つけられるでしょう。
まとめ
コンバージョン値とはコンバージョンが生み出す価値を指し、Google広告の自動入札機能で最大化の設定をすることで、収益の最大化を目指せます。BtoBの高額商品などは、コンバージョン値を基準にするのがおすすめです。
ブランド認知の向上などはコンバージョン数を基準にする方が良いですが、価格競争だけでなく付加価値を提供することで競争力を強化したい場合などはコンバージョン値を基準にしましょう。
コンバージョン数とコンバージョン値のどちらが重要かはビジネスの目標や戦略によって異なりますが、最適な方を広告の入札戦略の基準にして、ビジネスやWebマーケティングの成功につなげてください。