SEO対策には、継続的なサイトやコンテンツのメンテナンス(リライト)が不可欠です。しかし、何の指標もなく闇雲に手を加えても、なかなか目に見える効果は出ません。
このメンテナンスの指標に活用したいのが「SEOスコア」というものです。現在の自社サイトやページの評価が数値化されることで、テコ入れすべき箇所が特定でき、実施した内容がSEO的に正しいものであったかを評価できるようになるのです。
本記事では、自社サイトを運営管理する担当者に向けて、SEOスコアの概要や確認方法、スコアの上げ方などを解説します。
SEOスコアとは
SEOスコアとは、検索順位を決定する検索エンジン内部の評価点のことです。
200以上の評価項目から成ると言われていますが、その大部分は非公開とされており、正確なスコアは検索エンジン側にしかわかりません。しかし、SEOは世界的に第三者が研究・検証している分野であり、目安となる点数を算出するツールが公開されているという状況です。
SEOスコアは複数存在する
200以上の評価項目からもわかる通り、これを1つの数字に集約して表すことは困難です。そのため、SEOの各領域にそれぞれスコアが存在し、1つずつチェックしながら様々な角度からサイトの最適化を実施する必要があります。
SEOの具体的な評価領域は、たとえば以下のようなものです。
- ドメインランク
- サイト全体やそれぞれのページの内部構造
- 表示速度の速さ
上記は一部ですが、いわゆる「記事の手直し」に留まらないことがお分かりいただけるでしょう。
SEOスコアの確認方法
SEOスコアは自社サイトと外部ツールを連携することで確認できるようになります。ツールは複数存在しており、操作方法も確認方法も異なります。そのため、次項でご紹介するツールを実際に触ってみて、使いやすいものを選ぶことから初めてみると良いでしょう。
SEOスコアの調査におすすめのツール
前述したように、SEOスコアは1つではないため、状況に合わせて複数のツールを使い分ける必要があります。以下でおすすめする3つのツールは、使い方が非常に簡単なものをピックアップしているのでご安心ください。
SEOスコアを調べるおすすめツール1:高評価
「高評価」という名前の、主に内部対策のスコアをチェックするツールです。使い方は非常にシンプルで、スコアを確認したいサイトのURLと狙っているキーワードを入力してボタンを押すだけ。SEOスコアに慣れる意味でも、最初の1つに選びたいツールです。
SEOスコアを調べるおすすめツール2:PageSpeedInsigt
PageSpeedInsigt(ページスピードインサイト)はGoogleが提供しているツールで、主に表示速度を評価するものです。こちらも使い方は簡単で、スコアを確認したいサイトのURLを入力して「分析」ボタンを押すだけ。今すぐできるので、ぜひ試してみて下さい。
SEOスコアを調べるおすすめツール3:Ahrefs Site Explorer
Ahrefs Site Explorer(エイチレフス・サイトエクスプローラー)は、外部対策の評価基準である「被リンク」を調べるツールです。どのサイトから何件被リンクを受けているかの他、スパム認定されているドメインなども指摘してくれる優れたツールです。
SEOスコアを上げる方法
繰り返しになりますが、そもそも評価基準が公表されておらず、ツールで確認したスコアもある程度信憑性があるとはいえ、あくまで目安に過ぎません。従って、ここで解説する「スコアの上げ方」もこのような推測の積み上げを元に実施するものなので、実施すれば必ずスコアが上がるというわけではありません。
とはいえ、Googleが公表しているガイドラインを読み解いていくと、大きな方針のようなものは見て取れます。それが以下の3つです。
- 検索ユーザーの検索意図を解決する、良質なコンテンツであること
- 快適な閲覧ができるサイト構造、検索エンジンが認識しやすい内部構造
- 権威性の高いアカウントから評価され、紹介されること
上記を参考にした結果、実際にやるべきSEO対策は以下に集約されます。
- コンテンツSEO|コンテンツの質を高める
- SEO内部対策|サイト全体構造の最適化
- SEO外部対策|質の高い被リンクの獲得
これら3つの領域について、Googleから公表されているガイドラインを参照しつつ、順に解説していきます。
SEOスコアを上げる方法1:コンテンツSEO
コンテンツSEOについて、Googleは以下のような表明をしています。
検索ユーザーの利便性を何よりも優先する
出典:Google検索セントラル「ウェブマスター向けガイドライン」
ユーザーを騙すコンテンツがあってはならない
他サイトとの差別化を図る(コピーコンテンツの禁止)
当然ながら、検索ユーザーあっての検索エンジンです。検索エンジンがおすすめしたページが粗悪であれば、検索ユーザーは愛想を尽かし、いずれは使うことを止めてしまうでしょう。
抽象的ではあるものの、コンテンツSEOの方向性は明確です。それは「検索ユーザーの疑問や悩み(検索意図)を十分に解決する有益な内容であること」に他なりません。
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SEOスコアを上げる方法2:SEO内部対策
こちらもGoogleのガイドラインを要約すると、以下のような内容です。
ユーザーにとって認識しやすいサイト階層構造にする
出典:Google検索セントラル「ウェブマスター向けガイドライン」
ページの読み込み・表示時間を極力短縮する
PCやスマホなど、あらゆるデバイスで見やすい造りにする
こちらでもユーザーの利便性を第一に考えていることが伺えます。わかりやすい階層構造とは「パンくずリスト」の設置、「サイトマップ」の設置など、「自分が現在、サイトのどの位置にいるか」がわかるものを指し、建物で言う「案内表示」のようなものです。
ページの読み込みに時間がかかったり、スマホでは見づらいといったことも、訪れたユーザーにストレスを与える要因となります。あらゆる角度から、ユーザーの快適さを追求する必要があるのです。
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SEOスコアを上げる方法3:SEO外部対策
外部対策についても、ガイドラインで指標が示されています。
不正なリンクプログラムを使用しない
出典:Google検索セントラル「ウェブマスター向けガイドライン」
購入したリンクを使用しない
昔からSEOに携わっている人でない限り、理解しづらい部分かもしれません。少しだけ補足すると、2000年初頭に「被リンクの数が重要」というトレンドがあり、おびただしい数の中身のないデタラメなページが作られ、本命のサイトに何百、何千というリンクを繋ぐSEO対策が横行したという歴史があります。
こういった「単独では全く存在意義のないページ」が増えることは、検索ユーザーにとって不利益しかありません。このため、現在は「権威性がある価値の高いサイトからの被リンク」という条件が付いています。外部対策とは、SNSなどによる営業活動などがこれにあたりますが、コンテンツSEOに力を入れることで、ある程度自然に被リンクを獲得できるという側面もあります。
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まとめ
継続的なメンテナンスを要求されるSEO対策において、SEOスコアは重要な指標の1つです。とはいえ、スコアに固執してユーザビリティを疎かにしてしまうと、結果的にSEO対策は失敗に終わってしまいます。
SEOスコアはあくまで指標、実施しているSEO対策の答え合わせ程度に認識すべきです。結局のところ、検索ユーザーにとって有益・便利なコンテンツを作ることに重きをおくことがSEO対策成功への近道だからです。