インターネットが普及したことにより、さまざまな手法で自社をアピールする企業が多くなりました。多くの経営戦略があるなかでどんな戦略を活用するかによって結果に大きな違いが出てくる点がビジネスの特徴といえるでしょう。
数ある手法の一つに「デジタルマーケティング」といわれる手法があります。
「デジタルマーケティングという言葉を聞いたことあるけど、詳しくわからない」
「自社を効率的にアピールしたいけど、どんな手法がいいのだろうか」
「デジタルマーケティングのメリットってなんだろうか」
など、デジタルマーケティングについて疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、
- デジタルマーケティングの手法
- デジタルマーケティングのメリット・デメリット
- どのような戦略を立てるべきか
など、デジタルマーケティングについて詳しく解説していきます。自社アピールに繋げられるよう、しっかりと理解しておきましょう。
デジタルマーケティングとは
インターネットが流通してから、デジタルマーケティングという言葉を聞く機会が多くなりましたが、どういったものなのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
ここでは、デジタルマーケティングとはなにか、Webマーケティングとの違いはなにかといったデジタルマーケティングの基礎を解説していきます。
デジタルマーケティングとは
デジタルマーケティングとは、インターネットやAIなどといったIT技術、デジタル化されたデータなどを用いたマーケティング手法の総称です。例えば、インターネットやEメール、SNS、デジタル広告をはじめ、アプリやAI技術などといったあらゆるデジタルテクノロジーを活用したマーケティングを指しています。
デジタルマーケティングは、マーケティング活動にデジタルデータを活用することが大きな特徴です。消費者の好みや広告を見た反応、購入までの行動などといったさまざまなデータを分析することが特徴といえます。
今までのマーケティングでもデータ分析は行われてきましたが、インタビュー調査やアンケート調査による傾向を把握する程度に留まっていました。
しかし、デジタルマーケティングでは、デジタルでしか集めることができない個人レベルの細かい情報を自動で取得、解析することが可能となっています。その結果、解析に必要なスピードも、扱えるデータ量も従来のマーケティング調査とは比べものにならないぐらいに向上しました。
デジタルマーケティングとWebマーケティングの違い
デジタルマーケティングという言葉を聞く機会も多くなりましたが、似たような言葉でWebマーケティングという言葉も存在します。
Webマーケティングは、広告やSNS、SEOなどWebサイトを中心に行われるマーケティング手法です。最終的な目標としては、ユーザーをWebサイトへ誘致し、サイトを訪れるユーザーの動向を分析して、求める情報を把握することです。情報を利用することでWebサイトの改善に役立て、利益拡大を目指すことを目的にしています。
これに対してデジタルマーケティングは、Webサイト以外のユーザー動向にも目を向けるのが特徴です。例えば、アプリの利用履歴や動画の視聴履歴といった情報を収集し、システムなどによって分析することが挙げられます。Webマーケティングよりも広義なマーケティング手法といえるでしょう。
デジタルマーケティングの重要性
近年、パソコンやスマートフォンの所有率が高まったことで、さまざまな情報を取得できるようになりました。
サービスの利用や商品の購入など、契約から購入に至るまですべてオンラインで完結するケースも多くなっています。対面での販売が不要になったわけではありませんが、オンラインで完結させることで顧客情報の管理や継続的なアプローチなどがしやすくなるのが大きなメリットです。インターネットやAIをうまく利用することで、より効率的な成果へと繋げられるようになるでしょう。
消費行動において、オンラインと対面との壁がなくなってきた現代では、ネットを活用したマーケティングがさらに重要になってきているといえます。
デジタルマーケティングの具体的な手法
ここでは、デジタルマーケティングの具体的な手法とデジタルマーケターがどのような業務を行うのか解説していきます。
具体的な手法
デジタルマーケティングの代表的な手法を紹介します。
Webマーケティング
Webマーケティングには以下の手法があるので覚えておきましょう。
- Webサイトの運営
独自ドメインを取得し、ホームページを制作して自社の情報を伝える手法
- Web広告
外部のWebサイトに広告を出して自社サイトへの流入させる手法
- SEO
Googleで検索した際、自社サイトを上位表示させるために自社のWebサイトを最適化させる手法
- コンテンツマーケティング
ユーザーにとって価値ある情報を発信して、信頼性を高め、購買へ繋げる手法
- オウンドメディア
自社で保有するブログやWebマガジンで情報を発信する手法
- SNSマーケティング
X(旧Twitter)やInstagram、LINEなどを利用して、情報発信やコミュニケーションを通じて顧客の獲得や知名度の向上を目指す手法
- 動画マーケティング
映像コンテンツを通じて情報を発信し、集客や認知度向上を目指す手法
メールマーケティング
キャンペーン情報やイベントの紹介などのプロモーションメッセージによるコミュニケーションを通じて集客を目指す手法です。メルマガがメールマーケティングの代表例といえるでしょう。
近年ではシステムを活用することで、顧客によって配信内容を変えたり、配信するタイミングを変えることも可能となっています。顧客ごとに最適なアプローチをすることで見込み顧客の獲得や既存顧客のフォローアップなどに役立てている企業も多いです。
アプリマーケティング
スマートフォンやタブレット向けにアプリを開発して、アプリを利用してもらうことでユーザーとコミュニケーションを図る手法
アプリ経由でユーザーにとってのお得な情報を発信したり、アプリを使用しているユーザー限定でクーポンを発行したりといったことが可能
デジタル広告
デジタル広告はインターネット上に出稿される広告を指します。主に以下のものがあるので覚えておきましょう。
- デジタルサイネージ
店頭や建物の屋内外など、共有空間にディスプレイを設置して、そのディスプレイ上に広告を映し出す手法
- ストリーミング動画、音声広告
ストリーミング動画はインターネット上で観ることのできる動画広告、音声広告は音楽配信サービスやラジオの音声によって情報を伝える手法
- タクシー広告
タクシー内のモニターに広告を映し出す手法
マーケティングオートメーション
マーケティング活動を可視化させ、メルマガなどといった具体的な施策を自動で行う手法です。顧客開拓を自動化できるようになり、マーケティング活動の効率も大幅に上げられるメリットがあります。
デジタルマーケターの業務内容
デジタルマーケターの主な仕事は、デジタルデータの分析と分析した結果から施策を立案、施策の実行などが挙げられます。他にも施策を実行することによって商品やサービスの販売を促進させることが主な役割です。
Webページの閲覧数や掲載されている広告のアクセス数、SNSの拡散率などを分析して、施策の立案をすることが一般的です。
SEOやWeb広告、実店舗であればレイアウトの変更など、なるべくコストを抑えて、クライアントの納得できる施策の立案が必要になるため、幅広い知識や経験が必要になってきます。
デジタルマーケティングで得られるメリット・デメリット
デジタルマーケティングを行うことでどのようなメリットがあるのでしょうか。また、デメリットもあるのか解説していきます。
メリット
ここではデジタルマーケティングのメリットを紹介します。
ユーザーの行動をリアルタイムで分析できる
デジタルマーケティングの最大のメリットとして、ユーザーの行動をリアルタイムで分析できることが挙げられます。
デジタルマーケティングは、Webサイトに流入したユーザーの数や離脱したタイミングなど、リアルタイムで把握することが可能です。そのため、ユーザーのニーズを意識したコンテンツ作成などに活用できるのが大きな利点といえます。
また、AIを搭載したチャットボットを活用することで、ユーザーの悩みや疑問などといった新鮮な情報を取得することができるので、それらの情報を活用してカスタマーサクセスに利用することができるのも大きなメリットです。
複数の方法でユーザーにアプローチできる
デジタルマーケティングのメリットとして、集客するための場所や経路が複数あることも挙げられます。さまざまな施策を活用してマーケティングを行うため、複数の方法でアプローチできるのは大きな魅力です。
Webサイトへの集客施策としてWeb上ではWeb広告やSNS、YouTube、SEOなどがあり、実店舗ではデジタルサイネージなどが挙げられます。
AIチャットボットやメルマガなどを活用して、疑問や課題を解決できる仕組みを作っておけば顧客の獲得から購入までの一連の流れを確保することが可能です。
複数のユーザーに対して、さまざまな形でアプローチできる点がデジタルマーケティングのメリットといえます。
精度の高いリード情報を入手できる
デジタルマーケティングは精度の高いリード情報を取得できる点がメリットになります。マーケティングにおいて、見込み顧客や顧客の情報を取得できることは大きなプラスです。性別や住んでいる地域、年齢、流入元など、細かなユーザー情報をリアルタイムで取得できるため、情報の精度が高くなることが特徴といえます。
リード情報の精度が低いと、「ユーザーが何に興味を持っているのか」、「購入に至るまでの流れ」が想定しにくいため、リード獲得から購入までの効率が非常に悪くなります。
デジタルマーケティングでは、精度の高いリード情報を取得することが非常に重要です。そのため、精度の高い情報を取得できることが大きなメリットといえるでしょう。
デメリット
ここではデメリットを紹介します。
スキルや知識が必要
そもそもマーケティングは専門的なスキルが必要になってきますが、デジタルマーケティングは、よりWeb関連の知識や技術、Web独自の慣習や手法など、幅広いスキルが必要になってきます。
デジタルマーケティングを行うにあたってスキルが必要になってくるため、自社で行うにはハードルが高く、専門的な会社に依頼するにしてもある程度の知識がないとどのように発注したらいいのかわからないといった事態になりかねません。
デジタルマーケティングを自社で行うにも、専門会社に依頼するにもある程度の知識が必要になることは覚えておきましょう。
測定が難しい
デジタルマーケティングには多くの手法があり、さまざまな指標があるため、効果を測定することが非常に難しいとされています。
効果を測定することが難しいということもあって、デジタルマーケティングを取り入れたことで効果が出ているのかと判断しづらくなってしまうのが特徴です。目には見えないながらも効果が出ているということも少なくありません。効果が出ていないと判断してしまい、諦めてしまうことにも繋がってしまいます。
判断が難しいことがデメリットといえるでしょう。
デジタルマーケティングでどのように戦略を立てるか
デジタルマーケティングの戦略を立てる際には以下の5ステップを意識しましょう。
- ステップ① デジタルマーケティングの目的を明確にする
デジタルマーケティングを通じてどのような結果を出したいのかという目的をはっきりさせることが大切です。
- ステップ② ポジショニングの分析をする
市場における自社のポジションがどこにあるのか分析する。競合と比べて自社の商品のどこが優れているのか、市場での評価はどうかを客観的にとらえましょう。
- ステップ③ ターゲットを定める
自社の商品やサービスのターゲット(ペルソナ)を明確にすることが大切です。ペルソナを明確にできたら、購買に至るまでのユーザーの行動を可視化したカスタマージャーニーマップを作成します。いつ、だれに、どのようなコミュニケーションを取るべきなのかがはっきりするので重要です。
- ステップ④ KPIを設定する
売上の最終目標を達成するようにKPIを設定します。デジタルマーケティングのKPIには以下のものがあるので覚えておきましょう。
- PV数
- セッション数
- クリック数
- 離脱率
- CV率
- ステップ⑤ 施策を決める
自社のポジションやペルソナ、KPIを明確にしたら実施する施策を決めていきます。施策にはさまざまなコンテンツがありますが、それぞれ効果が異なるため、優先度の高い施策を選んでいきましょう。
まとめ
この記事では、デジタルマーケティングの基礎についてみていきました。
自社の商品やサービスをアピールするにはデジタルマーケティングが非常に効果的です。デジタルマーケティングのメリット、デメリットをしっかりと理解して、効率的な宣伝をしていきましょう。