「コンバージョン率の計算方法がわからない」
広告やWebマーケティングの成果を測るうえで、コンバージョン率は非常に重要な指標です。どうやったら簡単に計算できるのでしょうか。
この記事では、コンバージョン率の計算方法をわかりやすく解説します。
コンバージョン率が低い原因や効果的な改善策もご紹介するので、広告やWebマーケティングの成果を高めたい人は参考にしてみてください。
そもそもコンバージョン率とは
コンバージョン率とは、Webサイトでのコンバージョンの達成割合を示す指標であり、Web広告やマーケティングの効果を測るための重要な指標です。
Conversion Rateを略し、CVRとも呼ばれます。
Webサイトにアクセスが発生した場合に、そのアクセスのうちどのくらいが、商品の購入やサービスの申し込み、会員登録などのコンバージョンにつながったかの割合を示します。
コンバージョン率を向上させることはWebサイトや広告の改善に寄与し、ビジネスの成果を高めるのに役立ちます。
コンバージョン率の計算方法と平均はいくつ?
コンバージョン率を理解するには計算方法を知っておく必要があります。
ここでは、コンバージョン率の計算方法とどのくらいが平均の値なのかを解説します。
コンバージョン率の計算方法
コンバージョン率の計算式は、非常にシンプルで理解しやすいです。
Webサイトのコンバージョン数(例:商品の購入数、申し込み数など)を特定の期間内のセッション数で割り、その結果に100を掛けることで、コンバージョン率が求められます。
計算式は以下の通りです。
コンバージョン率(CVR) = コンバージョン数 ÷ セッション数 × 100
例えば、Webサイトに300回の訪問(セッション)があったうち6回コンバージョンが発生した場合、コンバージョン率は2%となります。
6 ÷ 300 ✕ 100 = 2%
150回の訪問(セッション)で9回コンバージョンが発生した場合は、コンバージョン率は6%です。
9 ÷ 150 ✕ 100 = 6%
上記はWebサイトのコンバージョン率の計算式ですが、Web広告の場合は以下のようになります。
コンバージョン率(CVR)= コンバージョン数 ÷ 広告をクリックした人数 × 100
Web広告のコンバージョン率の計算式では、セッション数ではなく広告をクリックした人数が分母になる点がWebサイトとの違いです。
なぜならセッション数は広告のクリック数よりも広い範囲を含んでしまうため、広告のコンバージョン率を正確に計測するうえでは適切ではないからです。
Web広告の場合は、セッション数(訪問数・アクセス数)ではなく、広告をクリックした人が分母になる点を押さえておきましょう。
なお、コンバージョン率を計算する際の注意点として、セッション数とPV(ページビュー)の違いを理解しておくことが大切です。PVは特定のページの閲覧回数を示し、セッション数はWebサイトにユーザーが訪れた回数を示します。
そのためコンバージョン率の計算式の分母にPVを使うと、ページの閲覧回数に対するコンバージョンの割合が求められるため、本来のコンバージョン率を正確に計測できません。
コンバージョン率の計算では、Webサイトはセッション数、Web広告はクリック数を分母にすることが重要なのです。
コンバージョン率の平均
コンバージョン率の平均(目安)は、業界や広告の種類、設定する目標によって大きく異なります。
コンバージョン率の平均値を正確に挙げるのは難しいですが、アメリカのWordStream社の調査によると、リスティング広告の場合だと以下のようになっています。
業界 | コンバージョン率の平均値 |
家庭用品 | 2.70% |
Eコマース | 2.81% |
B2B(法人向けのサービス) | 3.04% |
ファイナンス&保険 | 5.10% |
雇用サービス | 5.13% |
法務 | 6.98% |
リスティング広告の場合だと、コンバージョン率の平均(目安)は2~6%程度といえるでしょう。
コンバージョン率が低い場合の考えられる原因
コンバージョン率が低い場合、以下が原因であると考えられます。
- ターゲティングと広告設定が不適切
- ランディングページの質が低い
- モバイル対応が不十分
- コンバージョンに至るまでのプロセスが複雑
原因がわかると適切な改善策を講じることで、コンバージョン率を上げる可能性が高まるでしょう。
ターゲティングと広告設定が不適切
広告を効果的に運用するためには、正確なターゲティングと適切な広告設定が重要です。
広告やコンテンツの内容がターゲットユーザーの検索意図と合わないとユーザーは離脱してしまい、コンバージョン率が低くなることがあります。
ターゲットユーザーに向けた適切な情報やコンテンツを提供することでノイズを減らし、より高いコンバージョン率の実現を目指せます。
ランディングページの質が低い
コンバージョン率を上げるには適切なランディングページの設計やコンテンツの最適化が重要です。
広告をクリックしてランディングページにアクセスしたユーザーが、魅力的なコンテンツや情報を得られない場合離脱してしまいます。
わかりやすく魅力的に商品を伝えられるようデザイン性にも気を配りましょう。
モバイル対応が不十分
モバイル対応とは、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットでもきれいに表示されるようサイトを設定することです。
近年はスマートフォンからのトラフィックが増えており、モバイルデバイスからのアクセスはコンバージョン率を上げるための重要な要素です。
モバイルフレンドリーでないWebサイトや広告は、文字が小さく読みづらかったり、リンクやボタンがタップしにくかったりすることがあります
利便性が損なわれるとユーザーは早めに離脱してしまい、コンバージョン率が低下する可能性が高まるでしょう。
コンバージョンに至るまでのプロセスが複雑
コンバージョンまでのステップを簡素化し、スムーズな体験を提供することが重要です。
コンバージョンに至るまでのプロセスが複数のステップを要すると、ユーザーが途中で中断してしまい、コンバージョン率が低下することがあります。
コンバージョン率の改善のために取り組むべきポイント
コンバージョン率が低い原因がわかったあとは、以下の施策を行って改善を図りましょう。
- 検索意図に関連したキーワードを使用する
- ランディングページを改善する
- 導線を改善する
検索意図に関連したキーワードを使用する
広告文やキャッチフレーズに検索される可能性の高いキーワードを含めましょう。
キーワードに関心のあるユーザーに対して効果的にアピールできます。また、関連性の高いキーワードを使用することで、広告のクオリティスコアが向上する可能性もあります。
これにより、広告のCTR(クリック率)が向上する可能性もあり、コンバージョン率の改善につながるでしょう。
ランディングページを改善する
ランディングページは広告から遷移する際にユーザーが着地するページであり、コンバージョン率に大きな影響を与える重要な要素です。
ランディングページの内容やデザインを改善し、ユーザーが求める情報やアクションを分かりやすく提示しましょう。
具体的には広告文やキャッチフレーズと一致するコンテンツや情報をランディングページに掲載することで、コンバージョン率の向上につながります。
導線を改善する
Webサイト内の導線をスムーズにして、ユーザーが目的のページに簡単にアクセスできるようにしましょう。
分かりやすいナビゲーションや効果的なCTA(コールトゥアクション)を配置することで、ユーザーのコンバージョンへの導線を改善できます。
また、コンバージョンに至るまでの手順や入力項目を簡素化し、不必要な障壁を取り除くことも重要です。
まとめ
コンバージョン率は、Webサイトのコンバージョン数を特定の期間内のセッション数で割り、その結果に100をかけると求められます。Web広告の場合は、コンバージョン数をクリック数で割るとコンバージョン率を算定できます。
コンバージョン率の平均は業界や広告の種類によって異なりますが、リスティング広告の場合だと、コンバージョン率の平均(目安)は2~6%程度です。
これより低い場合はコンバージョンが低い可能性があるため見直しが必要です。
コンバージョン率が低いのは、ターゲティングやランディングページの質、導線などが原因です。
これらの要素を改善することで、コンバージョン率の向上につながるでしょう。