減る流入と、減らない流入
AIによる回答が検索結果に表示されるようになって、最初に減るのは「調べれば分かること」への流入です。用語の意味、一般的な手順、比較の観点。こうした情報はAIが要約して返すため、サイトを開く理由がなくなります。
一方で、次の流入はほとんど影響を受けません。
- 社名やサービス名による指名検索
- 料金や対応範囲を確認するための訪問
- 具体的な事例を読みたい人の訪問
- 問い合わせや資料請求を目的とした訪問
つまり減っているのは、もともと成約から遠い流入です。数字だけ見ると深刻に見えますが、問い合わせ件数が変わっていないなら、事業への影響は限定的です。
まず確認すべき3つの数字
慌てて施策を打つ前に、いま何が起きているかを確認します。
- 表示回数は維持されているか。表示が減っているなら順位の問題、表示は同じでクリックだけ減っているならAIの要約の影響です
- どのページが減ったか。用語解説のような記事だけが減っているのか、サービスページも減っているのか
- 問い合わせ件数は変わったか。ここが変わっていなければ、対応の優先度は高くありません
いまから着手できること
1. 自社にしか書けない情報を増やす
手掛けた案件の条件と結果、つまずいた点、料金の考え方。要約では代替できない情報が、訪問する理由になります。
2. 質問に正面から答える
費用、期間、セキュリティ、既存システムとの連携、助成金。よく聞かれる質問に、設問と回答の形で明示的に答えておきます。AIが回答を作るときの参照元にもなり、訪問者の不安も解消できます。
3. 検索以外の接点を持つ
セミナー、資料、既存のお客様からの紹介。検索アルゴリズムの外側にある接点は、何が変わっても影響を受けません。
4. 指標を入れ替える
「検索順位」と「セッション数」を主要指標にしていると、実態を見誤ります。指名検索の数、問い合わせに至った経路、資料請求の件数に切り替えます。
やらなくてよいこと
AIの要約に載るための特別な仕掛けを探す必要はありません。現時点で確実に効くのは、構造を整えることと一次情報を持つことです。小手先の手法は、仕様が変わった瞬間に無効になります。
また、記事を大量に増やすことで流入を取り戻そうとするのも得策ではありません。一般論の記事ほどAIの要約と競合します。数を増やすより、いまある記事を具体的にするほうが効果があります。
まとめ
AI検索によって減っているのは、多くの場合もともと成約に遠い流入です。パニックにならず、表示回数・減ったページ・問い合わせ件数の3つを確認し、自社にしか書けない情報と、質問への明確な回答を整える。この順番で進めるのが確実です。