「検索して、サイトを開く」が当たり前ではなくなった
検索結果を開くと、まずAIによる要約が表示される。そこで疑問が解消してしまい、どのサイトも開かないまま検索を終える。こうした行動が、ここ1〜2年で急速に増えました。
これは順位が下がったわけではありません。順位はそのままでも、クリックされる回数だけが減っていきます。従来どおり「検索順位」だけを見ていると、何が起きているのか分からないまま流入が細っていくことになります。
まず、見る指標を変える
最初にやるべきは施策ではなく、評価の仕方を変えることです。順位だけでなく、次の3つを並べて見るようにします。
- 表示回数とクリック率の関係。表示は維持しているのにクリック率だけが落ちているなら、AIの要約で完結している可能性が高い
- 指名検索の回数。社名やサービス名での検索は、要約では代替されにくい
- 問い合わせに至った経路。流入が減っても問い合わせが減っていなければ、失っているのは元々成約しない検索です
この3つを見ると、「減ってはいけない流入」と「減っても問題ない流入」が分かれます。手を入れるべきは前者だけです。
要約で完結しない情報を持つ
一般的な知識は要約されて終わります。一方で、要約しきれない情報があります。
- 自社が実際に手を動かして得た数字(期間、費用、削減できた工数)
- 導入時につまずいた点と、その回避方法
- 業種や規模の条件が具体的に書かれた事例
- 料金、対応範囲、進め方といった自社固有の情報
いずれも一次情報です。どこかで読んだ内容をまとめ直した記事は要約に吸収されますが、自分たちしか持っていない情報は、そこへ辿り着かないと得られません。
ページの構造を、機械が読みやすい形に
内容が良くても、構造が崩れていると正しく拾われません。手間のわりに効果が出やすいのは次の点です。
- 見出しを階層どおりに使う(h1は1つ、h2の下にh3)
- 結論を各セクションの冒頭に置く
- 数字と固有名詞を本文に書く(画像の中に文字を置かない)
- よくある質問は、設問と回答の形で明示する
これらはAI向けの小細工ではなく、人が読むときにも分かりやすくなる整え方です。
指名で探される状態をつくる
中長期で効くのは、社名やサービス名で検索してもらえる状態をつくることです。一般的なキーワードでの流入はAIの要約と競合しますが、指名検索は競合しません。
そのためには、検索以外の接点が必要になります。セミナー、事例の公開、既存のお客様からの紹介。地味ですが、検索アルゴリズムの変更に左右されない資産になります。
まとめ
AIの要約が増えたからといって、SEOが無意味になったわけではありません。変わったのは「何で評価するか」と「どこに時間を使うか」です。一般論の記事を量産する時間を、一次情報の整備と指名検索の獲得に振り向ける。それが現時点でもっとも確実な打ち手です。